「 ベンジャミン・バトン 数奇な人生 /THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON (2009) 」
第81回アカデミー賞最多13部門ノミネーション
■監督は、「セブン (1995)」、「ファイト・クラブ (1999)」、「フル・フロンタル(2003)」とブラッド・ピットを多く起用してきた、
デヴィッド・フィンチャー。 本作でも主役には御用達のブラピを主役に迎えて撮影に臨みました。
そしてとうとう本作において放送映画批評家協会賞、英国アカデミー賞、ゴールデン・グローブ、アカデミー賞監督賞にノミネートを果たしています。
今は亡きヒース・レジャー出演の私の好きな作品の「ロード・オブ・ドッグタウン(2005)」の製作総指揮にも関わっています。
■ベンジャミン・バトン役は、日本で最もポピュラーな俳優と言えるブラッド・ピット。
本作において、受賞にはなりませんでしたが、放送映画批評家協会賞、英国アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞において主演男優賞でノミネートされています。そして本年度アカデミー賞にまで名を連ね、受賞の行方が気になるところですね。
「12モンキーズ(1995)」で助演男優賞にノミネートされて以来、2度目となるオスカー候補ですが、今年は、日本で4月公開予定の「バーン・アフター・リーディング(2009)」で英国アカデミー賞助演男優賞にノミネートされています。
これだけ日本で愛されているポピュラーな俳優さんなのに、「ジェシー・ジェームズの暗殺(2008)」でヴェネチア国際映画祭主演男優賞を受賞したのみなので、ぜひ今年はオスカーを手にしてもらいたいと応援しています。
そして余談にはなりますが、是非ヒース・レジャーにオスカーを!と懇願しています♪
■デイジー役は、「エリザベス (1998)」、「アビエイター (2004)」、「アイム・ノット・ゼア (2007)」、「エリザベス:ゴールデン・エイジ」のケイト・ブランシェット。
「エリザベス (1998)」で主演女優賞を受賞して以来、アカデミー賞でノミネートに終わったものの、故ヒース・レジャー出演作品で話題になった「アイム・ノット・ゼア
(2007)」で、久々にゴールデン・グローブ賞他で助演女優賞を受賞しました。
ミニシアター公開ではありますが、ジュディ・デンチの好演もあってか「あるスキャンダルの覚え書き (2006)」もなかなか話題になりましたね。
■エリザベス・アボット役は、ティルダ・スウィントン。
■クィーニー役は、タラジ・P・ヘンソン。 本作において助演女優賞でオスカー にノミネートされています。
Story : 1920年代にF・スコット・フィッツジェラルドが執筆した、80代で生まれ、そこから若返っていくひとりの男の姿を描いた短編の映画化作品。普通の人々と同じく彼にも時の流れを止めることはできない。ニューオーリンズを舞台に、1918年の第一次世界大戦から21世紀に至るまでの、ベンジャミンの誰とも違う人生の旅路を描く。
「2009年2月7日公開」
ー 作品情報より ー
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不思議な感覚に酔わされる作品だった。
第一次世界大戦からの戦争が背景にあるだけに、戦争と言う悲劇がなければ、起こり得なかった人々の悲しみが、ある時計職人の叶わぬ願いが込められて創り上げられた時計によって、悲しい運命を背負って生まれて来たベンジャミン・バトンと言うあり得ない人生の物語が始まったのです。
物語を読み解くように、いまわの際のデイジーのために、ベンジャミンの日記を読む娘キャロラインの声から、フェードアウト、フェードインして、ベンジャミンの心が吐露していく運命を受け入れた淡々とした心理描写でつづられる不思議な物語です。
もちろんブラピ目当て・・・が観たかったきっかけでありますので、ブラピの各賞主演男優賞ノミネートは納得のところですし、デヴィッド・フィンチャー監督の映像と演出にも魅せられた事は確かですが、私が一番印象的だったのは、助演女優賞にノミネートされされた、捨て子だったベンジャミンを神から与えられた申し子として大切に育てた母クィーニーを演じたタラジ・P・ヘンソンの好演でした。
実に表情豊かに情感たっぷりに演じている彼女の演技に大変好感を持ち印象に残っています。
また、老人として生まれてどんどん若返って行くベンジャミンの様子に対して無反応な、余生短い老人が入れ変わりに集まって来る介護施設が舞台と言うところも良く考えられていて面白い設定だなと思いました。ベンジャミンが不自然に若返って来ても誰も不思議に思うどころか関心すら持たないですものね・・・・
また、ベンジャミンがどんどん若返って変わっていくにも関わらず、まったく変わらずに7回落雷に遭った話を繰り返し話して聞かせる認知症のおじいさんの話が効果的に挿入されていて、その対比が笑えました。
その他にも、ベンジャミンの人生の中で出会っていく、アーティストな船長など個性的なキャラクターの面々がこの不思議なファンタジーにより魅力的なエッセンスを加えていました。
特殊メイクで老人を演じたブラピにはちょっぴり違和感を感じるものの、若返っていくベンジャミンはメイク技術も撮影技術も巧いのでしょうが、まるで若かりし頃のブラピの映像でも使っているかのように感じるほど若々しかったです。
いったい、この先、最後をどう描くつもりなのだろう・・っと、とっても気になりながら見ていましたが、なるほど・・・っと、80歳で生まれて0歳で死んでいく最後まで手抜きをすることなく丁寧に描かれている事にも好感を持ちました。
久々に、原作を読んでみたくなる、そんな作品でした。
私ごとになりますが、映画は相変わらず数本試写で観ているのですが、12月始めからずっと感想など書いていませんでした・・・、本作を観たのがきっかけで、そろそろまた映画の感想が書きたくなってきたので、その放置したままの作品の感想を思い出しながらアップしていこうかなと思っています。そういえば、パソコンの中に「ワールド・オブ・ライズ」の感想の書きかけが放置されていました(笑)ここまで書いてあったらアップしろよな・・っと我ながら思うほど、自分の気持ちを表わすのに後一歩・・・が表現できていなくて、しばらく離れていました・・・また映画が好きで、書きとめておきたいというブログを始めた初心に気持ちが戻ってきたかな~
っということで、観た順番は前後しますが、今年初の感想が本作となりました。
今年もいっぱい映画を観るぞ~~☆よろしくお願いいたします~
~ おしまい ~